『専利審査指南』の改正に関する解読
国家知識産権局は9月24日に『専利審査指南』の改正に関する公告を公開した。国内外の出願人が今回の改正要点をよりよく理解できるように、今回の審査指南改正に対して下記のように初歩的な分析と評論を行った。
一、進歩性評価を重視する。
今回の改正にこれまでの進歩性に関する規定を実質的に改正したことはなく、ただ以下の内容を強調した。
進歩性評価の三歩法を適用する時、第二歩に、発明が実際に解決しようとする課題を確定する場合、本発明(請求項の技術案)に、区別的な技術的特徴が実現できる技術的効果によって、発明で実際に解決する技術課題を確定することを強調している。そうすると、第三歩に、区別的技術が対比書類に実現できる効果は本発明に実現できる技術的効果が同じであるかどうかを判断し、さらに従来技術が本発明の技術課題を解決するための技術を示唆したかどうかを判断することができる。技術的特徴の相互関係を強調することも、進歩性をもたらす可能性もある。
請求項の技術課題に対して貢献する技術的特徴は本発明の発明ポイントであり、或は出願人が主張した技術課題或は再確定された技術課題を解決する肝要な特徴である。理屈だけで公知常識だと認定するのではなく、通常は公知常識である根拠を示す必要がある。
二、グラフィカル・ユーザー・インターフェースに係わる製品の意匠出願の要求を詳細化する。
2014年にグラフィカル・ユーザー・インターフェースに係わる製品の意匠保護を導入して以来、実務にはいくつかの問題が蓄積されてきたので、今回の改正では、グラフィックユーザインタフェース製品の意匠への要求を第一部分の第3章第4.4節に集中的に規定し、以下の規定を詳細化した。
グラフィカル・ユーザー・インターフェースは製品の意匠を保護することを求めるものであるため、名称は、適用する製品とグラフィカル・ユーザー・インターフェースの主要用途を表明しなければならない。
提出される製品の図面又は写真の簡易化を明確にし、保護される内容はグラフィカル・ユーザー・インターフェースだけにある場合、製品の六面図を提出必要がなく、該グラフィカル・ユーザー・インターフェースの表示画面パネルを含む正投影図を一枚だけ提出してもよい。この場合、簡単の説明の部分に該グラフィカル・ユーザー・インターフェースの表示画面パネルが適用される最終製品を網羅的に挙げる必要がある。ただし、グラフィカル・ユーザー・インターフェース自身の図面又は写真は意匠の一般的な要求を満たさなければならない。グラフィカル・ユーザー・インターフェースの設計要点を明確に表示しなければならない。ダイナミックグラフィカル・ユーザー・インターフェースに対して、名称にはダイナミックが含まなければならない。状態変化図としてグラフィカル・ユーザ・インターフェースのキー・フレームのビューだけを提出することができるが、提出されたビューはダイナミック図案における動画の完全な変化過程を一意に特定できるものでなければならない上、前後順序を注記しなければならない。必要な場合は、簡単な説明の部分に変化の過程を説明しなければならない。
三、延期審査制度を導入し、優先審査制度を明確する。
大部分の出願人は、専利が早期に公開し、審査されて早期に授権されることを望んでいるが、一部の出願人は該専利出願を維持するかどうか、審査費用を納付するかどうかを考える時間をもっとほしい。このようなニーズを満たすすると同時に、審査資源も節約するために、今回の審査指南の改正に延期審査制度を導入した。
審査だけを延期し、公開を延期しないことに注意してください。専利授権の早期取得を希望する出願人について、優先審査を請求できる。具体的な状況は『専利優先審査管理弁法』に規定される。ただし、同一の出願人が同日中に同様の発明創造について実用新案を出願し、同時に発明を出願した場合、その
うちの発明専利出願に対して、一般的には優先審査をしない。実用新案がすでに優先審査されているのならば、優先審査のリソースを浪費して発明専利を審査する必要がなくなるからである。
四、専利検索の基本的戦略をまとめ、あらゆるタイプの専利検索に適する。
今回の改正に専利検索に対する修正が多く、その多くの内容は審査員だけが利用する専利検索の手続きに関わるものである。審査員は、専利文献を検索するほか、非特許文献も検索しなければならない。コンピュータ検索システムとインターネットから獲得できる非専利文献はおもに、国内外の技術図書、刊行物、学位論文、標準/協議、索引道具及びマニュアル等を含む。
専利検索戦略の部分に、最も基本的な検索の考え方とテクニックが要約され、審査員の検索経験の貴重なまとめである。また、新専利検索、無効検索、FTO検索、およびあらゆるタイプのの専利検索に適する。
五、無効申請はすべての組合方式を羅列する必要はない
専利無効宣告請求になると、対比書類の組合方式が多い場合、対比書類のすべての組合方式を羅列する必要はない。だたし、対比書類の組合方式が複雑でない限り、対比書類の組合方式と無効理由を明確するために、無効請求には対比書類の組合方式を明らかに挙げることを提案する。そうでなければ,何らかの組合方式が明確的に提出されないという無効な理由があるとみなされる可能性がある。
六、人間胚胎幹細胞の授権客体範囲を緩和
今回の改正は、実際に生物分野に大きな修正がある。また、中国はこの分野に対する許容度は世界に先駆けてやっているかもしれない。それは、人間胚胎幹細胞は各形成及び発育段階にある人体に属しないのを明確したことである。体内発育がなく、受精から14日以内の人間胚胎を利用して幹細胞を分離又は獲得するに関する発明は、授権の可能性があるようになった。これは関連生物企業に対していいことに違いない。
また、今回の審査指南の改正は分割出願、権利移転、面接、電話討論、納付情報の補充等の手続き内容にも関わり、非常に注目に値し、本文ではこれ以上言及しない。以上は今回の指南の改正に対する評論と解読であり、審査指南の改正要点を理解するためのご参考になれば幸いです。
